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岡本かの子『アムール幻想傑作集 美少年』(彩流社) [幻想文学]

昭和初期、数年間のみの活動期間で作家として知られる岡本かの子の、特に幻想小説度合いの高い短篇を集めた作品集です。
幸いなことに(?)今まであまり触れてこなかった作家さんなので大変楽しく読みました。
現実的であったり夢のようだったり、幸せであったりそうでもなかったりと展開はさまざまで、一気に読んでしまうと作家の感覚にあてられてめまいがします。男女の濃密あるいは淡々とした関係ばかりとも限らない、人間どうしの美しくもあり恐ろしくもあるつながりが、短い作品の中に緻密に書き込まれています。わたくしは「過去世」で天を仰ぎました。
いかにも作者の実体験をそのまま描いたかのようなお話もちょくちょく出てきます。特に夫の岡本一平とのかかわりを連想させるシーンは印象に残りますし、一平自身もふたりの思い出を脚色した作品だと証言していたりするんですけれども、なにぶん夫婦揃って芸術家だった人たちのする話ですから、額面通りに受け止めるのは危険ですね。
そういう文学研究としての見方はいったん置いといて、まずは作品と向き合って楽しむところからのスタートですよ。

美少年 岡本かの子 アムール幻想傑作集 (復刻アンソロジーシリーズ)


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